暑すぎて冬が恋しい
今日の歌
“朝ぼらけ有明の月とみるまでに吉野の里にふれる白雪”
現代語訳
明け方、ほのかに空が明るくなってきた頃、有明の月かと思うほど明るく、吉野の里には雪が降っている。
言葉
【朝ぼらけ】
明け方のほのかに空が明るくなっている頃。
【有明の月】
夜明けの空に残る明るい月。
【みるまでに】
「みる」は見るではなく、思うと言う意味
「までに」は極端な程度を表す。
思うばかりにと言う意味になる。
【吉野の里】
吉野は大和国吉野のあたり一帯。
今は奈良県の吉野
平安時代は、桜の名所、雪の名所だった
【ふれる白雪】
「る」は継続を表す助動詞「り」の連体形
ふっているという意味。
体言留めを使用している。
この歌の季節は冬、寒いなぁと思い外を見てみると、目の前には白雪にふられる吉野の里と言う情景が浮かび上がる。
刻一刻と夏に近づく中、たまに冬が恋しくなったりする。
小学校でも習う「朝ぼらけ」の短歌をもう一度読んで欲しいと思う。