今来むといひしばかりに長月の 有明の月を待ち出でつるかな

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“今来むといひしばかりに長月の 有明の月を待ち出でつるかな(素性法師)”

 

現代語訳

すぐ行きます。というあなたの言葉を信じて待っていましたが、あなたは来ず、待ちもしない九月の夜遅く明け方に出る月を待つことになってしまった。

 

平安時代、今とは違ってLINEも電話もない時代。

彼等の連絡ツールはお手紙。

殿方たちは、夜な夜な、愛する姫君の家へ。

こんな不便な日常に、彼らは俳句で愛を伝えていた。

 

 

そんな中、彼女たちの愛は信じて待つことしかできなかった。

いつ来るかわからない。もう一生来てくれないかもしれない。

そんな状況が日常的だった。

 

 

このお話は、約束したのに来てくれなかった悲しみを詠んでいる。

 

有明の月とは今で言う、0時から6時。

愛する人を待っている間に、夜が老けてしまった。

 

落胆する気持ち、好きだから諦められない気持ち。待ってることしかできない彼女たちの恋心を思うと、今、行動できる自分たちの恵まれた環境を大切にしたいと思うばかり…

 

そんな切ない歌を、「しょーたに紹介したい」