何を食べるかじゃない誰と食べるかだ!
「今日ご飯何にする?」
この一声で僕らは各々の行きたいところを思い浮かべる。
「ジャンケンポン」
最初は大体あいこだ。
何度もジャンケンを重ねるごとに、運命の神様が選び抜いた精鋭たちが残る。
「ジャンケンポン」
敗者たちは、勝者を見守りつつ、残る選択肢の最善に祈りを捧げる。
「ジャンケンポン」
一発で決まることはない。
人数が多かれ少なかれ、神様は楽しむために、あいこを選ぶ。
「ジャンケンポン」
今日のご飯が決まる。
嫌がる人もいれば喜ぶ人もいる。
みんなどこで食べるのかなんて関係ない。
そういう反応を起こしてみる。ただそれだけだ。
ただそれが楽しいのだ。
何が楽しいか正直わからない。ご飯を決めているだけなのだが、この瞬間が一番好きだ。
ご飯屋さんへ到着すると、何を食べるのかまた迷い始める。
人間は迷うことが仕事なのだろう。
ハンバーグがいいか、チーズが乗っている方がいいか、各々の考えが交錯する。
人と同じものを選ぶものもいれば、違うものもいる。
友達の食べ物をみて、それも食べたかった。と思う時もあれば、絶対にそれは頼まないと思う時もある。
あえて口に出さないが、誰しもがそう思っている。
しかし、美味しかったから楽しい。不味かったからつまらない。そんなエゴイズムを持つ人は私の周りにいない。
味など関係ないのに、一応迷ってる振りをする。そういう生き物なのだろう。
ジャンケンの勝敗など関係ない。
また、何を食べるのかも関係ない。
そこにいる。誰かと食べる。何かをする。
それが僕の幸せだ。
今日はびっくりドンキーに行った。
きっと記憶の1ページには
「ハンバーグが美味しかった」ではなく、
「みんなとご飯楽しかった」と描かれることだろう…